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都議会・集中審議~共産党「事実を明らかにするためには百条委員会しかない」にネットで歓迎の声

[2016/6/13 18:22]

 6月13日(月)、3番目に質問に立った共産党・曽根はじめ都議は、舛添都知事の政治資金収支報告書で違法性を問う焦点となる、千葉県木更津市のホテル宿泊費について追求。共産党は百条委員会の設置を求めていくと言明しました。

 共産党はもともと舛添都知事の不信任決議案を提出すると表明していますが、曽根議員の質問では「不信任決議案」という言葉はなく、「事実を明らかにするためには百条委員会設置しかない」と3度にわたって言及。不信任決議案だけではなく、百条委員会設置に動く可能性もありそうです。

共産党:曽根議員の質問

 曽根議員はホテル宿泊費について、当初の説明から以下のように変わった理由を質問。

参加者:事務所関係者ら→出版社社長1人
内容 :会議→面談、出馬の詰め→出馬の相談
時間 :昼間にそうとうやったはず→1時間程度

 舛添都知事は、「出版社社長は非常に親しいので事務所関係者と見ている」、「面談も会議も変わらないと思っている」、「目的は公約の最後の詰めも出馬の相談もした」、「昼間にそうとうやった記憶はその通り、しっかり思い浮かべると1時間程度」とそれぞれ釈明しました。

 曽根議員はその上で、正月に招いた出版社社長の交通費や出迎えについて質問。舛添都知事は、「友人でもあるので交通費をこちらで払うということはないと思う」、「ホテル到着時の出迎えもしなかった」と回答しました。

 また、舛添都知事は質問に応えて、出版社社長との会談のためにルームサービスなどは取っていない、部屋にあるポットのお茶か水くらいしか出していないと回答。

 舛添都知事の回答を受けて、曽根都議は、正月にわざわざ招いておいて交通費も出さない、出迎えもしないのは「信じがたい」としながら、「ルームサービスも取っていない、来客はフロントも介していない。出版社社長のための経費は1円も発生していないことになる。会議のための費用が1円もかかっていないのに、会議費として政治資金から支出したのは虚偽記載ではないか」と追求しました。

 舛添都知事はこれに対して、「知事に立候補するという、政治家として非常に重要な決断をする重要な会議をしたから会議費という判断をした。しかし、不適切という指摘を受けたので返金する」と回答。

 曽根都議は「虚偽記載の事実を訂正しても、違法行為をしたという事実は消えない。見つかったら返せばいいんでしょという姿勢が見え透いている」と批判し、「架空の作り話であるということがわかれば、きわめて悪質。ひとつでも実在の根拠があるのか」と迫りました。

 さらに、計画した時点では家族旅行だったということを舛添都知事に確認した上で、「家族旅行で予約したのに、政治資金団体あてに領収書を作らせることはいつ決めたのか」と質問。舛添都知事は「会議の後に決めた」と回答しました。

 曽根都議は、自ら実際に木更津のホテルに宿泊してきたと明かし、明細付き領収書のコピーを提示。「ホテルのシステムではチェックイン時に領収書の宛先を書く欄があるが、それを後から変更するとホテル側で登録し直す必要がある。知事はチェックイン時からグローバルネットワーク研究所の名前にしていたのではないか」と指摘。

 また、曽根都議がホテルで確認したところ、領収書の宛先が変わった場合などには手書きの領収書を発行することも可能だが、その場合は但し書きを書く欄があると説明。「家族旅行であったことを隠すために故意にもともと領収書と一体であった明細部分を切り離したのではないか」と追求しました。

 舛添都知事は、「故意に隠したということはない。不適切なものについては返金する」と答弁。

 曽根都議は、「具体的な事実はまったく語られていない。事実を明らかにするため、百条委員会を設置するほかないことを強く主張したい」と表明。集中審議で初めて「百条委員会」の言葉が出てきました。

 さらに、「意図的に隠すことは、知事になってからもやっている」として、都知事に就任後「世界堂で5回、買い物しているが領収書に但し書きがない。世界堂に確認したところ、但し書き欄が未記載の場合は『客の要望があった場合』と言っている」と糾弾。

 曽根都議は、政治資金規正法の第一条で目的、金額、年月日が揃っていなければならないと定めていることを説明。3つの事項のうちひとつでも漏れがあれば政治資金規正法違反になる可能性があると指摘。

 重ねて、「わが党は虚偽記載問題で百条委員会は避けて通れないと考えている」と百条委員会設置の必要性を主張しました。

ネットでは共産党質問に好意的な反応

 ネットでは、百条委員会設置に言及した共産党質問に「都議会で共産党がいい仕事してる」「自分もそのホテルに泊まってみたのですが、の曽根議員がMVP」など、共産党の追求を評価する声が多く上がっています。「嫌いだけどやっぱり共産党は必要」という声も。

 舛添都知事の公私混同疑惑はいまや都民だけの問題ではなく、国民的関心事。参議院選挙の公示が6月22日に迫っている中、ネット上でも「舛添を辞任させないなら、参院選では自民党・公明党に投票しない」といった声が聞かれることから、都議会の行方が国政にも影響しかねない状況です。

 今日6月13日の集中審議を受けて、6月15日(水)の都議会での決議がどうなるのか、都議会与党である自民・公明の出方が注目を集めています。

[工藤ひろえ]