セーラー服の少女が新しい方向に向かう漢和辞典! 中村佑介さんと創刊半世紀の「角川新字源」がコラボした「改訂新版」が本日30日(月)発売
KADOKAWAが、人気イラストレーターの中村佑介さんが特装版函イラストを手がけ、23年ぶりに大リニューアルした漢和辞典「角川新字源 改訂新版」を2017年10月30日(月)に発売しました。B6判で本文1,968ページ、親字約14,000、熟語約105,000(参考熟語含む)を収録し、価格は3,000円(税別)。なお、函は中村佑介さんが描いた特装版と、通常版の2種類あり、収録内容は同じです。
「角川新字源」は1968年に創刊し、累計部数570万部と日本で最も売れているという漢和辞典。今回のリニューアルでは、1/3にあたる約4,000文字の収録親字数が増加。常用漢字表改定に携わった阿辻哲次京都大学名誉教授らが参加し、漢字の字源・字音・字義などを徹底的に見直したとのこと。
特に意識したというのが「情報化社会に対応した漢和辞典」であることで、スマホやパソコンの環境の整備によって、日本人は現在、歴史上最も漢字に接触しており、改訂新版では、JIS漢字の第四水準まで完全対応し、「現代社会を生きる私たち必携の辞典に生まれ変わらせた」としています。
そこで、若い世代の人達にも漢和辞典により関心をもってもらい、使ってもらいたいという思いから、若者を中心に多くのファンがいる中村佑介さんに表紙イラストの制作を依頼したとのこと。中村佑介さんは、ASIAN KUNG-FU GENERATION、さだまさしのCDジャケットや、小説「謎解きはディナーのあとで」、「夜は短し歩けよ乙女」、また音楽の教科書の書籍カバーなど、数々の作品で注目を浴びる人気イラストレーター。
中村さんが辞典の函イラストを手がけるのは、今回が初めてとのこと。完成したイラストは、「これまでの辞典のように敷居が高くなく、あくまでカジュアルな気持ちで、漢字を学ぶこと自体についての、楽しさや新しい発見を伝えたい」(中村さん)と、「(漢)字」をテーマに、「新」しい方向へと向かう女の子が描かれています。
中村佑介さんのコメント
辞書は誰でも使うもので、同時に身近にある本の中でいちばん学問に近しいものです。そうしたものに関わることができるのはとても嬉しく、光栄です。中高生が好むものや、かわいいと感じるイラストによって、漢字やその勉強に関心をもってもらいたい。そんな気持ちをこめて「新字源」を手がけました。
「角川新字源」改訂待望の声 ※敬称略
今からそう遠くはない昔、漢字はいずれ滅びると予想されていた。だが予想は外れ、IT機器の発達とともに、漢字はかえって存在感を増してきた。時代は漢字制限ではなく、漢字解放に向かって動いている。漢字の将来を誤らないために、字書の役割はますます大きい。『新字源』は五十年前の発刊以来、私の傍らにあり、常に根源を押さえて私を導いてくれた。久しぶりの大改訂によって、その真価はさら輝きを加えるだろう。 興膳宏(京都大学名誉教授)
私たちの時代は、発信とイノベーションを求めている。であれば、それらを下支えする感性と発想の品質は、決定的な意味を持つはずだ。漢字の意味と字音、数々の熟語、その豊かな用例が揃う『角川新字源』こそ、日本語からフレッシュな創意を引き出し拡散させるために不可欠なリソースであると言える。字書であり、アイディアの宝庫だ。 ロバート キャンベル(国文学研究資料館長)
漢和(漢字)辞典指導は小学4年生で行われるが、実際、漢和辞典の活用は十分に行われているとは言い難い。スマートフォンの普及により漢字の読み書きが容易になった。漢字に対する知識がこれほど求められる時代はない。今、再び「漢和辞典の時代」が到来した。『角川新字源改訂新版』はこの時代を象徴する一冊である。 深谷圭助(中部大学教授、非営利活動法人こども・ことば研究所理事長)
今日の多彩な表現を支え、歴史を伝えてくれる。まさに一字千金の名著です。 冲方丁(作家)
一個の漢字と漢字を並べただけで、新たな意味が爆発的に生まれる言葉の不思議。古代から綿々と連なる巨大な歴史をまるっと包みこむ、まがうことなき小宇宙が詰まっています。 万城目学(作家)
パッと見てわかりやすい!しかも、読み物としても楽しい漢和辞典です。載っている漢文をわくわく眺めるだけで、時間があっというまに過ぎていきます。 三浦しをん(作家)