JTがベーカリー「サンジェルマン」をクリエイト・レストランツHDに売却 1970年に東急グループが第1号店をオープンし2002年にJTの傘下に~「ベーカリーショップからコンビニや量販店へのチャネルシフトが進展」
日本たばこ産業(JT)が15日、同社の連結子会社であるサンジェルマンの全株式をクリエイト・レストランツ・ホールディングスに譲渡することを決定し、株式譲渡契約を締結したと発表しました。なお、サンジェルマンの子会社である北海道サンジェルマンも、クリエイト・レストランツHDの傘下となります。
サンジェルマンは、東急グループの東横食品工業が、1970年に第1号店を東急百貨店本店に出店した伝統ある関東地盤のベーカリー。現在、「サンジェルマン」51店舗、「プルミエサンジェルマン」9店舗など計78店舗を展開しています。北海道サンジェルマンは、北海道全域の主にスーパーマーケットに「レフボン」、「サンヴァリエ」などのブランドで68店舗を出店しています。
JTは、1998年より加工食品事業に参入し、ベーカリー事業については、2002年にサンジェルマン、2004年に北海道サンジェルマンをグループに迎え入れ、首都圏・北海道を中心に自社技術を活用した高品質なパンを提供するベーカリーショップを展開していました。
しかし、近年は食品購買行動の変化などを背景として、ベーカリーショップからコンビニエンスストア・量販店へのチャネルシフトが進展したことや、人件費や原材料費等のコスト上昇が継続するなど、ベーカリー事業は厳しい事業環境にあり、サンジェルマンと北海道サンジェルマンの今後の持続的な事業成長を図るためには、これまで以上に好立地店舗の確保や提供価値の差別化による店舗価値の向上が必要で、その実現には、そのノウハウを有する外食企業のもと事業展開を行なうことが最善の選択と判断したとのこと。
複数社からの入札を経て、サンジェルマンの全株式をクリエイト・レストランツHDに譲渡することを決定したとしています。クリエイト・レストランツHDは、240以上の外食ブランドを有し、多数の店舗展開を行なってきたことにより培われた店舗運営ノウハウやネットワークを有しており、サンジェルマンと北海道サンジェルマンがこれまでに培ってきたブランド・人財などの価値を最大限に活かせると考えているとのことです。
JTでは、今後の加工食品事業は、冷食・常温、調味料の2つの事業に注力し、さらなる利益成長を目指していくとのことで、子会社のテーブルマークが展開する焼成冷凍パン事業については、今後も継続していくとしています。なお、テーブルマークが展開する焼成冷凍パンは、サンジェルマンから仕入れています。