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高級“生”食パン専門店「乃が美」の「はなれ 山形店」が本日31日(日)閉店で山形県から撤退 2020年6月に全国47都道府県達成も、19県から撤退。店舗数はピーク時の256店舗から半数以下に

[2023/12/31 17:18]

 高級“生”食パン専門店「乃が美」の山形県唯一の店舗「乃が美 はなれ 山形店」(山形県山形市十日町2-1-11)が、2023年12月31日(日)に閉店します。山形店の店舗は、「アクロスプラザ三川店」が11月30日(木)に閉店しており、「山形店」の閉店で山形県から撤退となります。

 「乃が美」は、大阪市に本店を置く高級食パン専門店で、2013年の創業以来店舗拡大を続け、2020年6月に創業6年8カ月で全国47都道府県を制覇し、173店舗の出店を達成。2021年12月には全国256店舗に達しましたが、その後は岩手県、秋田県(2022年12月31日)、宮城県(2022年12月31日)、群馬県(2023年6月2日)、茨城県(2023年1月15日)、岐阜県(2023年5月22日)、長野県(2023年5月7日)、新潟県(2022年12月31日)、富山県(2023年5月)、福井県(2023年5月7日)、滋賀県(2023年5月31日)、奈良県(2023年5月31日)、岡山県(2023年5月31日)、鳥取県(2022年12月31日)、香川県(2023年5月)、徳島県(2023年5月31日)、高知県(2023年5月)、大分県(2023年8月20日)から撤退しており、現在では半分以下の店舗数になっています。

乃が美の代名詞(紙袋とレギュラー)

 全国47都道府県出店達成時に、同社では「目標としていた全国47都道府県に出店できた今、新たな目標として、まだお届けできていない地域へパン工場を併設したお店をつくり、『待っています』『楽しみにしております』とお声がけをいただいている方々へお届けすること。そして、すべての地域の方々に乃が美を『地元のパン屋さん』と思っていただきたいという想いがあります。大量生産はせず、どこのお店でも一つひとつ手づくりで焼きあげた食パンをならべること、それは絶対に変わることはありません。『生』食パン発祥のお店として今後も変わらず皆様に愛されるパンを目指し、100年先も愛されるようにコツコツと当たり前ですが大切なことを続けていきます」と意気込みを語っていました。

「乃が美」の創業エピソード

創業時の総本店

 乃が美の【「生」食パン】が生まれたのは、ほんの少しの思いやりからです。

 1つは、創業者が定期的に慰問していた、老人ホームで耳にした「食べているときと笑っているときが一番幸せ!でも朝食に出るパンは耳が固くて食べられない」というおじいちゃん、おばあちゃんの声を聞き、「『耳まで柔らかいふわふわの食パン』を食べさせてあげたい。」との想いからヒントを得ました。

 そして2つめは、卵アレルギーで食物の制限がある創業者の娘が食べていたパサパサのパンを見て「ふわふわの柔らかい食パン」を食べさせてあげたいと思ったことがきっかけです。

 2年かけて「やわらかさ」「きめ細やかさ」「甘味」「香り」すべてにおいて納得のいくパンが完成しました。

 パンづくりはまったくの素人として初めたため、常識では考えられないやり方でこれまでにない食パン、【「生」食パン】が生まれました。

 原材料と製法にこだわった為、市販の食パンの3倍以上の価格となり、創業当初はご理解いただくにも苦労しましたが、想いが少しずつ広まり、今では、お土産や贈答品として多くのお客さまからご贔屓の声をいただくまでになりました。

 また、数々の著名人の方の差し入れや、引き出物にもお選びいただいております。

「乃が美」の全国47都道府県出店達成までの歩み

2013年10月2日 創業(総本店:大阪府大阪市天王寺区上之宮町2-2)
2017年 4月   全従業員数 約1,000人
2018年11月   麻布十番店が100店舗目としてオープン
2019年 9月   総本店リニューアルオープン
2020年 6月   秋田県へ出店
        店舗数 173店舗
        全国1日総販売本数 多い日で約80,000本
        全従業員数 約2,000人

リニューアル後の総本店
[古川 敦]