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すき家がみそ汁にネズミ混入の調査結果を公開 大型冷蔵庫の扉が店外に面した建物構造と周辺環境が重なった特殊な事例として公表を見合わせる判断

[2025/3/27 18:36]

 ゼンショーグループの牛丼チェーン店「すき家」が27日、「すき家 鳥取南吉方店」で発生したみそ汁への異物(ネズミ)混入について、発生当初にホームページなどでの公表を控えたことにより、「お客様に不信の念を抱かせる結果となってしまった」と謝罪。3月22日の公表以後、1月21日に事案が発生してから公表に至るまでの間の同社の対応や異物が混入した具体的な状況について多くの質問が寄せられたことから、第2報が公開されました。なお、鳥取南吉方店は3月24日(月)9:00~4月21日(月)9:00まで、改装工事のため一時閉店するとしています。

 発生当初に公表を控えた理由について、同社では「現地調査と店内カメラの映像確認の結果、異物が店内に侵入した経路は、当該店舗の大型冷蔵庫の扉が店外に面しており、その下部に設置されたゴム製パッキンに生じていたひび割れから侵入した可能性が高く、当該店舗の建物構造と周辺環境が重なった特殊な事例であることを勘案し、ホームページでの公表を見合わせた」と説明しています。

 なお、全国で当該店舗と同様に、外部に面し下部にパッキンを有する冷蔵庫を設置している店舗を、全国1,971店舗中72店舗と特定し、パッキンの状態確認および交換、その他懸念箇所の修繕を完了しているとのことです。

(1)1月21日の本件発生以降、現在に至るまでの同社の対応

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【現在実施中または今後実施予定の対策】
・全店舗において、商品提供前の目視確認を徹底。
・全店舗の従業員に対する衛生教育の再実施(3月中に完了予定)。以降も、月に1回、定期的に教育を実施。
・四半期に一度、全店舗において建物のクラックや隙間などの有無の点検および懸念箇所が確認された場合の修繕を実施。
・全店舗のゴミ庫の冷蔵化:現状、害獣・害虫の誘引を防ぐため、全国1,971店舗中約800店舗で廃棄物を保管するゴミ庫を冷蔵化。残る店舗のうちショッピングセンター内などの店舗を除く1,089店舗につき2025年中の冷蔵化完了を目指す。

(2)異物混入の経路について

 同社が実施した現地調査および店内カメラの映像確認の結果、当該店舗の大型冷蔵庫の扉が店外に面しており、その下部に設置されたゴム製パッキンに生じていたひび割れから混入したネズミが侵入した可能性が高いと結論付けているとのこと。

 また、お椀への混入は、みそ汁の具材を入れたお椀を大型冷蔵庫で一時保管していた間に混入した可能性が高いと考えているとしています。

 店内カメラの映像については、具材をお椀に入れる準備工程のほか、みそ汁を鍋で作成してから保温機器(ジャー)にセットし提供するまでの一連の映像を確認。その結果、当該異物が鍋に混入する様子は確認されず、混入が認められたお椀は1つ。

 また、同社の専門部署(グループ食品安全基準本部)が、混入した異物が加熱されていたかどうかを調べる検査(カタラーゼ検査)を実施した結果、加熱されていないことを示す反応が出たことから、科学的な視点からも異物が鍋に混入した可能性は著しく低いと考えているとしています。

[古川 敦]