【食レポ】冷やし中華発祥の店「揚子江菜館」の冷やし中華は具材がたっぷり。池波正太郎の愛した上海式焼きそばも!
梅雨明けはまだですが、晴れの日は蒸し暑く、冷やし中華が恋しい季節になりました。今回は、冷やし中華発祥の店「揚子江菜館」へ。
東京・神保町のすずらん通りにある揚子江菜館は、明治39年に寧波出身の料理人が開店した老舗。初めて冷やし中華を提供したのが昭和8年で、冷やし中華発祥の店と言われています。冷やし中華発祥の店としては、仙台の龍亭も有名ですが、両店はそれぞれ独自に冷やし中華メニューを開発しており、どちらも冷やし中華発祥の店として親しまれています。
揚子江菜館はいわゆるラーメン店ではなく、本格的な中華料理の店です。冷やし中華が1,510円と、毎日のランチで気軽に利用するにはちょっと価格が高め。ビジネス相手との食事など、少しちゃんとした感のあるランチをとりたいときには、冷やし中華発祥の店というネタもあるので重宝しそうです。
揚子江菜館は、ランチタイムでも点心から一品料理まで美味しそうなメニューが揃っています。今回は元祖冷やし中華の「五色涼拌麺」と、池波正太郎が好んだという、名物焼きそばメニューの「上海式焼きそば」をいただくことに。
注文後は料理が来るまでお茶を飲んで喉を潤し、しばらくすると池波正太郎の大好物と書かれていた上海式焼きそばが運ばれて来ました。
上海式焼きそばは、塩ベースの味付けにもやしと玉ねぎと豚肉を中心とした具材が入った焼きそば。麺に焼き面が付いている部分と、そうではない部分があるので、食感の違いで味飽きしにくいのが嬉しい。
五色涼拌麺と上海式焼きそばには、2個づつ焼売が付いています。焼売の皮は肉厚でほどよくハリがあり、中の餡は肉々しく美味しい。
焼売を堪能していると、ほどなく彩り豊かな五色涼拌麺が目の前に運ばれてきました。富士山をイメージした盛り付けだそうです。
五色涼拌麺は、海老や錦糸卵等が乗った具だくさんな冷やし中華。麺は冷やし中華でよく見かける、かんすい入りの黄色い麺ではない、博多ラーメンの麺を少し太くしたような麺。タレは甘味とほどよい酸味が効いていて、中国の黒酢ならではの風味とコクも感じる一品。
今回足を運んだ揚子江菜館は、料理の美味しさは当然として、自然なタイミングでお茶を注ぎ足してくれるサービスにも、長きにわたって営業が続くお店の底力を感じました。