日本のラーメンブームはこのお店から始まった! 「淺草 來々軒」が110年の歳月を経て新横浜ラーメン博物館に復活
新横浜ラーメン博物館に2020年10月14日(水)、日本で初めてラーメンブームを起こした「淺草 來々軒」が復活します。
価格は、「らうめん」930円、「らうめん(青竹打ち)」1,100円(1日100食限定)。「ワンタンメン」1,130円、「シウマイ」1個150円も用意されています。価格は税込み。
「淺草 來々軒」は、明治43年に創業。それまでにあった本格的な中華料理を提供するレストランとは違って、日常的な食事を提供する中華料理店でした。ラーメン、ワンタン、シュウマイなどを初めて提供したと言われています。
昭和51年に閉店しましたが、その來々軒の創業者・尾崎貫一さんの孫である髙橋邦夫さん(87)、玄孫(やしゃご)である髙橋雄作さん(33)の協力も得て、今回新横浜ラーメン博物館に復活が実現しました。
ラーメン博物館によると、「淺草 來々軒」は日本で初めてラーメンブームを起こしたお店であり、ラーメン史を語る上で欠かせないお店とのこと。
ラーメン博物館では、1994年の開館に向けた準備の中で、1991年に來々軒3代目の故・尾崎一郎さんにインタビューを実施。
その後、新聞や書籍などの公的な資料を中心に調査を進めましたが、戦前は食に関する記事が少ない中、ラーメンに関して調べると、出てくる記事は圧倒的に來々軒に関わる物だったそう。そして、それらの記事に共通するのは“大繁盛”“圧倒的に美味しい”という言葉でした。
ラーメン黎明期の調査から、「淺草 來々軒」の大繁盛した味について掘り下げ、「淺草 來々軒」のラーメンを再現するプロジェクトにつながっていったとのことです。
今回の復刻までに、麺、スープ、メンマ、チャーシュー、丸大豆醤油などすべての材料について調査を実施。調査結果をもとに、スープの出汁をとる鶏は名古屋種の親鶏を使い、煮干しも使用しています。醤油も材料がすべて国産大豆の「ヤマサ醤油」の丸大豆醤油(濃口醤油)を使うなど、ひとつひとつの素材にこだわっています。
スープは、証言をもとに、国産の豚、鶏、野菜に、昭和初期ごろから加えられた煮干も使用。弱火でじっくり炊き上げ、旨味を引き出しています。
麺に使用する小麦は、明治まで遡り、当時の遺伝子を持つ後継品種「さとのそら」を使用。創業当時の「青竹打ち」と昭和10年以降の「機械製麺」2種類で、食感の違いも楽しめます。なお、「青竹打ち」は1日100食限定。
メンマは、台湾産の乾燥メンマを1週間かけて水で戻し、味付け。焼豚は、味をなじませてから、直火の吊るし焼きにしています。どちらも手間暇かけた昔ながらの製法により、味を再現しています。
味だけでなく、ラーメンの丼は、來々軒3代目の尾崎一郎さんの証言により復刻した丼を再現します。
110年前の丼を再現する技術が必要なため、今回の再現には、世界中のトップシェフや国内の有名ラーメン店から依頼が殺到している有田焼の窯元「李荘窯」寺内信二さんに依頼。
当時の原料・絵の具・釉薬は現在と異なるため、当時のテイストを出すのに試行錯誤して焼き上げたとのことです。