吉野家HDが最大150店舗規模の閉店を計画 新型コロナ影響下で吉野家は健闘するも、はなまる、京樽が大苦戦~未定としていた業績予想を発表
吉野家ホールディングスが28日、国内外で最大150店舗規模の閉店を見込んでいると発表しました。同社は、2021年2月期の業績予想を、新型コロナウイルス感染症の拡大による事業活動への影響を合理的に算定することが困難であることから未定としていましたが、現時点で入手可能な情報や予測などに基づいて、連結業績予想を算定し公表しました。なお、実際の売上高の回復状況にあわせて変更するとのことです。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、グループ全体で1,700店規模での休業・営業時間の短縮を実施したことにより、第1四半期の連結売上高は、前期に対し、3月94.0%、4月78.7%、5月77.4%で推移。
国内では3月より徐々に売上高が減少し、感染症の全国への拡がりに加え、4月上旬の緊急事態宣言の発令、5月の緊急事態宣言の延長などにより、休業店舗・営業時間短縮が拡大し、大幅な客数減となったとのこと。緊急事態宣言の順次解除に伴い通常営業店舗が増加したものの、テレワークの継続や店舗のソーシャルディスタンスの確保、夜間に外出を控える状況は続いており、6月においても店内飲食は前年の水準に回復していないとのことです。
海外(決算期1~12月)では、中国は2月の春節以降、ほぼ全店が休業・営業時間の短縮となり、3月以降に大半の店舗が営業再開したものの、6月の売上高も前年を下回って推移。アメリカは3月の外出禁止令の発令によりテイクアウトのみでの販売を余儀なくされ、売上高が大きく落ち込んだものの、5月の外出禁止令解除に伴い足元では前年同等の水準にまで回復。アセアンは、エリア毎に感染拡大時期が異なっており、マレーシアは経済活動を再開しましたが、インドネシアなどでは依然感染拡大が継続しているとしています。
このような環境の下、国内事業は今後緩やかな回復を見込まれるものの、今期中に前年の水準にまで回復することは難しく、連結売上高は前期に対して、第2四半期87%下半期90%の水準で推移すると仮定し試算。損益面については、大幅な客数減の影響により減益となりますが、下半期は上半期には実行が難しかった店内飲食を獲得するための商品導入や各種キャンペーンを機動的に実施することによる客数回復に加え、仕入れコストの低減を含む全社的なコストダウンの迅速かつ強力な実行により上半期より改善する見通しとしています。