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公取委が一蘭史上初のカップ麺などの価格拘束改善計画を認定

[2022/5/19 23:54]

 公正取引委員会が19日、一蘭から申請があった確約計画を2022年5月19日(木)付けで認定したと発表しました。

 公正取引委員会は、一蘭が2021年2月15日(月)に発売した、天然とんこつラーメン専門店の一蘭(創業:昭和35年)史上初のカップ麺「一蘭とんこつ」(メーカー希望小売価格:税込490円)などに関して、遅くとも2018年1月以降、小売業者が希望小売価格から、複数購入などのセット販売も含め割引販売しないよう要請していたとしています。要請に同意したために、在庫処分を目的とした割引販売を行なわなかった業者もいたとのことです。

 今回、認定された確約計画は、これらの行為を取りやめ、その措置を今後3年間実施する旨を取締役会において決議すること。その措置を、取引先卸売業者及び小売業者に通知するとともに、一般消費者に周知し、かつ、一蘭の従業員に周知徹底することなどが盛り込まれ、公正取引委員会では「今回の行為を排除するために十分なものであり、かつ、その内容が確実に実施されると見込まれるものであると認め該確約計画を認定した」としています。

 なお、今回の認定は、「公正取引委員会が一蘭の当該行為が独占禁止法の規定に違反することを認定したものではない」とのことです。

 また、一蘭では「今後は再発防止に向け、一層のコンプライアンスの徹底に努めるとともに、いつもご愛顧くださるお客様の期待に添えるよう商品・サービスを提供してまいります」としています。

 カップ麺「一蘭とんこつ」は、ノンフライ麺で、小袋が3袋(液体スープ・粉スープ・秘伝のたれ)入っています。調理時間熱湯4分。目安湯量は440ml。

【一蘭公式】新商品発表

 純粋にラーメンの味を楽しんでほしいという理由から具材は入れず、「麺・スープ・赤い秘伝のたれが作り出す美味しさに、ただひたすらに向き合える一杯。お好きな時に、一蘭らしさが凝縮されたラーメンをお楽しみいただけます」としています。

 天然とんこつラーメン専門店「一蘭」が、ラーメンに関わる技術の粋を集め作り上げた、「一蘭とんこつ」は、お湯を注ぐだけでいつでもどこでも、好きな時に一蘭らしさが凝縮されたラーメンが楽しめるとのことです。

 一蘭の麺は、ストレートで小麦の風味が感じられる細麺であることが特徴で、これを「一蘭とんこつ」で表現すべく特注ノンフライ麺を使用。麺の太さや小麦の配合、加水率などを幾度も微調整した結果、スープとよく絡み、まるで一蘭特製生麺のような食感を楽しむことができるとのことです。

 スープは、とんこつの旨味を最大限に引き出しつつも、特有の臭みをしっかり抑え、さらに、粉末と液体の2種類を合わせることで、奥行きのある風味やなめらかな口当たりを実現。スープに含まれる特製香味油が、さらに味わい深さを際立たせるとしています。

 「秘伝のたれ」は、これまでの「赤い秘伝のたれ」の調合技術を生かし、唐辛子を基本に特別調合。この商品のためだけに新たに開発されたことで、単なる辛さだけではなく、旨味や甘味も感じられるとのことです。

開発秘話

【公式】新発売「一蘭 とんこつ」 SPECIAL MOVIE

 20年以上前から、お客様だけでなく数多くの企業様から共同開発のお話をいただいておりました。しかし、一蘭のこだわりを形にできる技術の実現が難しく、満足のいく味わいのカップ麺を作ることはできませんでした。それでも「いつか必ず、お客様の期待に応えたい」との想いで試行錯誤を繰り返す日々…。完成までの道のりは困難を極めました。

 麺・スープ・秘伝のたれ、どれも一切妥協はできません。

 まずは麺。一般的にとんこつラーメンのカップ麺では、歯応えが強調されがちです。最初に出来上がった麺はバサバサしており粉感が非常に強いものでした。福岡らしい麺ではあるが、決して一蘭らしくはない…。「一蘭らしい麺とは…」と、改めて自社の麺の特長を見つめなおし、歯応えの中に潜むなめらかさ、しっとり感や麺の溶け方などを多角的に調整。『一蘭らしい麺』の開発に成功いたしました。

 次に、一蘭の真髄であるとんこつスープ。口当たりや豊かな風味の演出が重要です。粉末だけならとんこつスープを舌で感じることができるが鼻腔に香りが残りにくい、液体だけではとんこつ特有の微細な舌触りやとろみの表現が難しい。それぞれの研究を重ねた結果、最終的に「粉末も液体も、両方いれる」との決断にいたりました。そうすることでとんこつ特有の風味を感じながらも香り高いスープが完成しました。

 また、それらの麺やスープに絡む「秘伝のたれ」。当初は、従来多くのお客様より長く愛されている「一蘭発祥・赤い秘伝のたれ」を採用したいと考えておりましたが、その製法は門外不出であり、世界で4名しか知らない最重要機密。レシピがないため開発は特に難航いたしましたが、様々な調味料の調合を重ねた結果、たれ専属職人もお墨付きの「秘伝のたれ」の実現に成功いたしました。

 「一蘭とんこつ」には、一蘭のこだわりや企業秘密がたっぷり詰まっております。

[古川 敦]