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日清食品が動物由来原料一切不使用で“うなぎの蒲焼”を再現! 最新技術でリアルな食感、リアルな見た目を追求した「プラントベースうなぎ」の開発に成功~「白身層」「中間層」「皮層」の3層に分けて製造

[2023/5/15 15:57]

 日清食品ホールディングスが15日、動物由来原料を一切使用せずに“うなぎの蒲焼”の食感や見た目、風味を再現した「プラントベースうなぎ」の開発に成功したと発表しました。

「プラントベースうなぎ」を使用した“うな重”(調理例)

 「プラントベースうなぎ」の開発には、動物由来原料を使用せずに本物の“うなぎの蒲焼”に近い「食感」と「見た目」を実現するという大きな課題があり、今回開発された「プラントベースうなぎ」は本物の“うなぎの蒲焼”の食感に近づけるため、「白身層」「中間層」「皮層」の3層に分けて生地が作られているとのこと。

 「白身層」には、主に粒状大豆たん白を使用し、ふわっとしながらも繊維感のある食感を再現。「中間層」は、植物油脂などを使用することで、うなぎの身と皮の間にある脂身のとろっとした食感を再現しているとのこと(「動物由来原料を使用しないウナギ様食品及びその製造方法」として特許登録済み)。さらに「皮層」には、竹炭粉末を使うことで特有の黒さを再現。また、“うなぎの蒲焼”特有の「見た目」は、3層の生地を専用の金型に詰めて蒸した後、タレを塗り、炙って焼き目をつけることで表現しているとのことです。

 古くから高級食材として知られている“ニホンウナギ”は、国際自然保護連合により絶滅危惧種IB類(近い将来における野生での絶滅の危険性が高いとされるもの)に指定されています。一方、ウナギの養殖は天然資源(稚魚であるシラスウナギ)に依存しており、近年、シラスウナギの漁獲量は減少傾向にあり(減少の要因は特定されていないものの、海洋環境の変化や生息環境の悪化などが水産庁によって指摘されています)その価格が高騰していることから、市販されるうなぎの価格も上昇しています。

 さらに、ウナギを卵から育てる完全養殖は、技術的に確立されているもののコストの問題が解決されておらず、実用化には至っていません。そのため、このままでは「うなぎを食べる」という日本の食文化が失われてしまう可能性があります。

 また、同社では“栄養改善”と“持続可能な食料システム”の実現に向けたコミットメントを「東京栄養サミット2021」に合わせて策定。豊かな日本の食文化を守ることを目的とした「プラントベースうなぎ」の開発と商品化を進めることで、“"持続可能な食料システム”の構築へ貢献するとしています。

[古川 敦]