フード

博多ラーメンに旋風を巻き起こす“豚骨カプチーノ”! 時代の寵児「博多一双」が「新横浜ラーメン博物館」に出店~豚骨ラーメン発祥の地である福岡から県外へ初進出!

[2024/6/7 18:59]

 全国各地の人気ラーメン店が集結し、2024年3月に開館30周年を迎えた「新横浜ラーメン博物館」の地下1階に、博多ラーメンに旋風を巻き起こす“豚骨カプチーノ”時代の寵児「博多一双」が、言わずと知れた豚骨ラーメン発祥の地である福岡から県外へ初進出し、2024年6月24日(月)から期間限定で出店します。

とんこつラーメンの聖地・福岡でも、ひときわ目立つ大行列

 「博多一双」は、福岡市内のみに店舗を展開し、豚骨、チャーシュー、麺、醤油などの食材も全て地元福岡の業者から仕入れるなど、頑なに地元福岡にこだわり続けていました。

 「博多一双」を創業した山田晶仁氏は、「これまでは地元福岡に食べに来てもらいたい、福岡の地で頑張りたいという気持ちが強かったが、少し頭が固かった。これからは、福岡の豚骨ラーメン、博多一双のラーメンを、関東圏、そしてゆくゆくは海外にも知らしめたい。ラーメン博物館で“豚骨ラーメンといえば博多一双”と言ってもらえるように頑張りたい」と語っています。

 そんな博多一双の「福岡を飛び越え、関東圏、そして海外へ博多豚骨ラーメンを知らしめたい」という想いと、新横浜ラーメン博物館の「博多ラーメンを紹介したい」という想いが一致し、出店の運びになったそうです。

「博多一双」創業者・山田兄弟

 屋号の「一双」には、「二人で一つ」「二人で日本一になろう」という創業者・山田兄弟の想いが込められています。1986年生まれの兄・山田晶仁氏と、1990年生まれの弟・山田章仁氏は北九州に生まれ、幼少期に福岡市へと引っ越します。

 山田兄弟はこれまで一度も喧嘩をしたことがないというほど大の仲良し。弟の章仁氏が書いた幼稚園の卒業文集には既に、「兄がゲーム会社の社長、僕がゲーム会社の副社長」と書いてあり、幼少期から、将来は二人で事業をやっていこうという気持ちがあったとのこと。

 兄・晶仁氏には初めからラーメン屋になるという考えはなかったそうですが、とあるテレビのラーメン特集を見たのがきっかけで、ラーメン屋に可能性を感じ、ラーメン界に入ることを決意。18歳の時に某有名ラーメン店で修業を始めます。弟・章仁氏も、高校1年生の時に同店にアルバイトとして入り、高校卒業後すぐに入社。それぞれ兄が7年半、弟が5年間の修行の末、2012年11月27日に「博多一双」本店を開業。兄25歳、弟21歳のことでした。

兄の山田晶仁氏(右)と弟の山田章仁氏(左)

「博多一双」の歴史

 「博多一双」は、博多駅から徒歩6分ほどの場所に創業。今でこそホテルや飲食店も増え、それなりに人通りが多いエリアになったそうですが、開業したころはお昼時にサラリーマンがいるだけで、夜は全く人もいない場所だったそう。

 また、多くの飲食店が開業し、ことごとく失敗していた場所でもあったのですが、「近隣で働く方にラーメンを食べて元気になってもらえるようなお店にしたい」というイメージを持っていたため、この場所での開業を決断したそうです。

「博多一双」博多駅東本店前

 いまや博多屈指の行列店となった「博多一双」ですが、最初から今のように繁盛したわけではありません。開業後、平日はそれなりに客足があった一方で、夜と休日はやはり苦戦したようです。

 転機となったのは、知らないうちに「食べログ」で1位になったこと。それから徐々に土日にもお客様が来はじめ、開業から半年が過ぎたゴールデンウィークにはじめて行列ができました。

 その後、お客様が順調に増え続け、開業から2年が過ぎたころにはスープの仕込みが追い付かなくなり、夕方頃にはスープ切れという状況が続きました。それから24時間体制でスープを炊いても間に合わなくなってしまったため、近隣に店舗を借り、そこでもスープを取ってようやく売り切れることなく営業できるようになったとのこと。その後、2014年5月29日には中洲店、2016年9月28日には祇園店をオープンし、現在、福岡で3店舗が運営されています。

博多っ子を魅了する「豚骨カプチーノ」

 博多一双の代名詞「豚骨カプチーノ」という言葉は、どんぶり一面に浮かぶ泡(脂泡)を表現していて、ある時、お客の一人がSNSで名付けたのが始まり。

 この泡はブレンダーなどで意図的に作り出したものではなく、スープを炊くときに空気と脂が混ざり合い、自然に出来たもの。泡のマイルドさと豚骨が持つ力強さが同居した、極上のスープが完成するのです。

 兄・晶仁氏曰く「修業時代、この泡はアクだから捨てなさいと教わりましたが、私は泡が立っている時が一番美味しいと思っていたので、独立後はこの泡が出ている状態のスープでラーメンを出したいと思っておりました。“豚骨カプチーノ”という言葉は後からお客さんにつけていただいた言葉であり、決して最初から戦略的に泡を出しているわけではなく、あくまでもこの状態が美味しいから泡を出しているのです」とのこと。

「博多一双」のラーメン

 スープには国産豚の骨だけを使い、店主の考える黄金比によって豚の頭骨、背骨、げんこつをしっかりと下処理し、高い火力で骨がホロホロになるまで3つの寸胴を使って長時間炊き上げます。どんぶり一面に浮かぶ泡は濃厚な手作り豚骨スープの証で、「豚骨カプチーノ」と呼ばれる極上のスープなのです。

3つの寸胴を使って長時間炊き上げるスープ
豚骨カプチーノ

 替え玉率8割を誇る麺は、しなやかであり触感が心地いい歯切れの良さが特徴。形状を平打ちにすることで、濃厚な豚骨スープを持ち上げ、ぷつっと歯切れの良い触感が生まれます。

平打ちの細麺

 そしてチャーシューは、店主が吟味した安心安全な豚肉を使用。ラーメンダレでラーメンの味を邪魔しないシンプルな味付けをしているため、スープになじみ易く肉の味を楽しめます。その他の具材は、きくらげ、青ネギ、海苔とシンプルな構成です。

チャーシュー
[岩崎 宰守]